レーザー加工機

[FABOOL Laser Mini]焦点距離と被写界深度の確認

投稿日:2017年2月15日 更新日:

焦点距離確認

※最初にお断りしておきますが、今回の私の方法はアバウトな計り方であくまでも目安。精密な距離や深度は測れませんので悪しからずご了承下さい。

FABOOL Laser Miniは、レーザーダイオードより発せられたレーザーをレンズで一点に集光して物を熱で焼き切ったり、溶かしたり、焦げ目を付けたりするレーザー加工機です。
子供の頃に、よく虫眼鏡で太陽光を集めて紙を焦がしたのと原理は同じですね。

レンズで集光するので、必然的に焦点の合う位置が存在し、その焦点位置でレーザーの威力は最大になり、焦点から外れた場所ではレーザーの威力が弱まってしまいます。

 

レーザーヘッド

FLMの焦点距離は、レーザーヘッドのカバーの先から3mmに合うように調整されています。
なので、焦点距離を調整する為の3mm厚のアクリルが付属しています。
カバーの下にアクリルをあてがい、加工対象物との距離を3mmにする。

しかし、実際には個体差でこの焦点距離がずれている場合が結構あるらしいです。
Facebookのコミュニティなんかを見ていると、ある人は4mmぐらいが丁度良いとか、ある人は2mmとか言っていて、割とばらばら。

一応、3mmから大きく外れているものは、メーカーに相談すればレーザーヘッドを交換してくれたりするらしいですが・・・
参考リンク>https://www.facebook.com/groups/1509496999354724/permalink/1579552565682500/
(※Facebookの非公開グループなので閲覧するにはグループに承認してもらう必要があります。)

 

と言う訳で、もしかすると私の持っているFLMの3.5Wのレーザーヘッドも焦点距離がずれていて、もっとレーザーの強度を調整できるかもしれない!?
と思い、レーザーヘッドの焦点距離とその深度を確認してみることにしました。

 

計器作成

焦点距離計器

今回、2.5mm MDFを加工してこのような計器を作りました。

 

焦点距離計器

横から見るとこんな感じです。

この計器は、幅100mmの片側10mm上がった斜めの板です。
端っこにMDFを4枚貼り付けて、10mm上げています。
この計器にレーザーを刻印して、刻印の太さで焦点距離と被写界深度を確認したいと思います。

注)10mmの傾斜ではありますが、四角い物を斜めに上げているので、実際には10mm以上あがっています。
しかし、今回はそれらを誤差として、便宜上10mmの斜めの板として利用しています。

 

焦点距離計器データ

一応データファイルを置いておきます。同じように焦点距離を確認したい人はご利用下さい。
私は2.5mmのMDFで作りましたが、MDFが切れない人はFLM付属の1mmバルサ材なんかで作ればいいかと思います。

FLM焦点距離確認用計器作成データ

 

焦点距離・深度の確認方法

焦点距離確認

まず、紙を一枚敷いて、レーザーで線を引いておきます。
位置確認用の下書きなので、線が見えさえすれば線の濃さや太さはどうでも良いです。

 

焦点距離確認

そして、レーザーヘッドの焦点距離を、計器の厚み+11mmに調整する。
今回は2.5mmMDFを4枚と1mmバルサ材で11mmを作りました。
(計器は2.5mmのMDFで作っているので、計器の厚み分を入れると2.5mmMDFが5枚と1mmバルサ材1枚です。)

何故10mmでは無く11mmにしているのかと言うと、ちょうど10mmでは計器にヘッドカバーがぶつかるからです。詳しくは治具の注意書きをご覧下さい。

 

焦点距離確認

紙に引いた線を目安にして、線の上に計器を設置します。

 

焦点距離確認

最後に、設置した計器にレーザーで線を引きます。
いつもMDFを切断するときの早さと強度であるF300 100%で強めに線を引きました。

 

確認

それでは結果を見てみます。

焦点距離確認

計器に引いたレーザーの線は、太い線から始まり、中程で細くなり、そしてまた太くなります。
この一番細い部分が焦点距離でレーザーの威力が最大の位置と言うことになります。

 

焦点距離確認

今回の私の場合、18mm辺りが一番細くなっています。

計器は100mm幅で10mmの高さなので、10%斜めです。
これをレーザーの高さに換算すると、1mmの目盛りで0.1mm上がる計算。
18mmが一番細いので、18 × 0.1で1.8mm
そして、線を引くときにヘッドの焦点距離調整時に1mm上げているので、その分を足すと2.8mm辺りが最もレーザーが強く当たる部分と言うことになるでしょう。

計器の誤差やヘッド位置調整時の誤差なんかもあるので、私のレーザーの焦点調整はカバー先端からほぼ3mmに調整されていると言えるでしょう。

 

焦点距離確認

ちなみに、私が2.5mmのMDFを切断する時は、この計器の20mmから数回レーザーを当てて45mm辺りで切断終了ということになります。
このことから、被写界深度的に丁度レーザーが強いところを利用して切断できていることがわかります。

不思議なのが、レーザーがこれだけ広がっているので、切断したMDFは裏表で大きさが変わりそうなのですが、実際にはそれを感じません。
私はよく切断したMDFを数枚重ねて接着剤で貼り付けて利用したりするのですが、裏表はほぼ同じ大きさに感じます。
レーザーが広がっても、切断できるのはレーザーの中心部分だけで他は焦げるだけと言うことなのでしょうか。

 

焦点距離確認

あと、レーザーの焦点距離を離せば、その線はかなり太くなります。
正確には分かりませんが、計器の80mmあたりでレーザーの幅は1mm程になります。
切断に使うには弱いですが、刻印時に太い線を描きたい場合なんかにはこの辺りの焦点距離が使えそうですね。

 

結論

以上、今回の結果を見る限り、私のレーザーヘッドの焦点距離は、公式通りヘッドカバーから3mmにうまく調整されているように思われます。
気持ち、焦点距離を短くすれば、もしかするともう少しMDFが切れやすくなるかもしれませんが、機械の構造上あまり細かい単位でのヘッドの上下調整は出来ないので、難しそうだなと言った感じです。

 

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