以前までは、オンライン版しか無かったFLMを操作するアプリが、最近になってオフラインにも対応されました。
このアップデートによって、これまでネット環境のある場所でしか使えなかったFLMが、ネットの環境が無くても使えるようになってとても便利になりました。
オフラインでも使えるようになった利点は、ネット環境云々だけに限らず他にもあって、例えばクラウドに保存された加工データの行方(利用規約やプライバシーポリシーが無く、機密の漏洩に繋がる)や、SmartDIYs社がユーザーに一切の告知無しに行われるオンラインアプリのアップデート(昨日使えてたのに、同じことを今日しても使えない問題は、納期の有る加工には致命的)の解決にも繋がり、大変喜ばしいことであります。
で、以下はWindows版のドライバーの話
FLMのドライバーは(仮想COMポートのドライバーはまた別の話)、PythonとJavascriptのプログラムで構成されているようです。
Pythonで組まれたプログラムには、ブラウザーからアクセスが可能なように、httpサーバーとして動作してCOMポートへの通信を橋渡しする機能が備わっている。
Windows版では、このPythonで組まれたプログラムを、PyInstallerを使ってEXE化し、それをNSSMを使いWindowsのサービスとして登録され常時実行されている。
そして、Javascriptのプログラムには、データ変換(gcode化)やGUIの機能が備わっている。
つまり、Pythonで組まれたhttpサーバーに、都度ブラウザーからアクセスをしてJavascriptを実行することで、FLMの操作を可能としている。
この構成は、クロスプラットフォームで動作するプログラムを簡単に開発できるので、コスト削減に繋がりFLMの価格に反映されていると思うので歓迎すべきことだと思う。
だけど、一つ気になる点がある。
それは「httpサーバーをWindwosのサービスとして常時起動するのはどうなんだろう?」と言う所。
私は、普段使いのメインPCをレーザー加工にも使っているので、そのPCでhttpサーバーが常時起動しているのは、とても不安に思う。
外部から直接のアクセスは不可能だとしても、ブラウザー経由だと簡単にアクセスできてしまう。
例えば、悪意のあるページを開くと、突然FLMが動き出すとか・・・
サーバーのセキュリティホールを見つけられてあんなデータやこんなデータを吸い出されるとか・・・
想像するととても不安です。
あとまったく別の理由ですが、FLMとの接続が勝手に行われる(COMポート的なこと)と言うのも、このドライバーの常時起動が嫌な理由の一つでもある。
と言うわけで、私は常時起動は止めてレーザー加工する時だけドライバーのプログラムを起動して利用するようにしています。
FLMドライバーの常時起動を止める
私の場合は、
インストールされたドライバーのフォルダー(c:\FaboolLaserWin)を丸ごと別の適当な場所にコピーした後、ドライバーをアンインストール
と言う方法で、常時起動を止めている。強引だけどw
ドライバーをアンインストールしてしまうので、当然Windowsサービスへの登録も解除されるが、別の場所にコピーしたファイルはそのまま使える。
尚、アンインストールするのはFABOOL Laserのものだけで、STMicroのUSBドライバーは消しては駄目。
レーザー加工を行う時
そして、レーザー加工を行う時は、コピーしたフォルダの
faboollaser.exe
を実行する。
このファイルを実行すると、真っ黒なコンソール画面のウィンドウが開かれ、この状態でFLMが使えるようになる。
以前の、オンライン版の機能のみだったドライバーでは、このコンソール画面に色々デバッグ情報?が表示されていたのに、オフライン対応になってから何も表示されなくなってしまった。
何か見られて都合の悪いことでもあったのでしょうかね・・・残念です。
尚、このコンソールウィンドウを閉じると、ドライバーは停止する。
ま、加工する時だけ起動するようにしたところで、先の不安は解消される訳では無いのですがね・・・