Ender-3のコントローラー基板が格納されているケースには、熱を逃す為のファンが付いています。上の写真がそうです。
これは電源投入直後、一瞬だけ回ってその後すぐに止まります。
でも、プリント中に見てみると、ちゃんと回っている。
このことから最初、ケース内の温度によって回転を制御してる?のかと思ったのですが
そうではありませんでした。
実はケースのファンは、フィラメント冷却用のファンと連動していました。
Ender-3のヘッドには2つのファンが付いています。
1つはノズルを冷却するファンと、もう一つはフィラメント冷却用のファン。
ノズル冷却用のファンは電源を入れるとずっと回りっぱなし。
フィラメント冷却用のファンは、コントローラーで回転数が制御され、プリントしていない時は止まっていて、プリント中はスライサーの設定に依存して回転します。
で、Ender-3はフィラメント冷却用のファンが回るとケースファンも回る、フィラメント冷却用のファンが止まればケースファンも止まると言う具合。
このことは、ABSのフィラメントで造形する時にちょっと問題となります。
PLAだと冷却しながらプリントすると綺麗に仕上がったりしますが、ABSは反りやすいので急冷を避けるために風をあまり当て無い設定にることが良くあります。
ですが、Ender-3ではフィラメント冷却用のファンを止めるとコントローラー基板を冷却するためのファンも止まってしまうと言う・・・
なんでこんな設計なん?
ABSプリント時の対策
しょうがないので、その場しのぎではありますが・・・
フィラメント冷却用のファンのダクトが取り外しできるようなので外しました。
そして、さらに逆向きに取り付けてみました。
これで、射出されたフィラメントに直接風があたることが無くなりました。
なのでスライサーの設定は、冷却全開にできます。
あと、ノズルを囲うケースの開口部が下に大きく開いていて、ノズル冷却ファンの風がかなり下に吹いています。
これも少しでも和らげる為、下側に紙で風防を作って磁石で貼り付けて、下方向への風を遮断してみました。
下手するとノズル詰まりの原因にもなりますが、他にも空気が逃げる隙間はあるので、大丈夫かなという判断。
そして、この対策の前と後で比較してみました。
使ったのは有名な 3DBenchy
#3DBenchy – The jolly 3D printing torture-test by CreativeTools.se – Thingiverse
左←が対策後、右→が対策前
同じフィラメント、同じGCodeファイルで出力しました。
ラフト無し、サポート無しで直接ビルドシートの上に出力しています。積層は0.2mm。
底面の反りはとても改善されました。
これも、左←が対策後、右→が対策前
天井の内側は、対策前の方がきれいに出てる感じ。
対策後は少しフィラメントが垂れて崩落しています。
その他の見た目は、殆どどちらも同じ感でした。
と言う訳で以上です。