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Ender-3 ホットエンドの不具合対策

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少し前から、Ender-3のフィラメントを交換しようとすると、フィラメントがなかなか抜けない現象に悩んでいました。

原因はフィラメントを引き抜く時に、フィラメントの先端が少し太くなってしまい、PTFEチューブの内で引っかかって抜けなくなると言うもの。

太くなったフィラメントの先端

上の写真、少し分かりにくいですが、先端が少し太くなっています。

まだ、なんとか抜ける状態ではありますが、これがさらに酷くなるとフィラメントが抜けなくなるのではないかと心配だったので、ホットエンドの交換を考えていました。

Ender-3 ホットエンド(新品)

で、ホットエンドの仕組みも良く分かってないので、まるごと交換しようとホットエンドの部品全てが一体になった物を購入しました。

 

そして、交換手順等を調べているうちに、どうやらこのホットエンドには不具合があると言うことが分かりました。

それが、この動画で説明されています。

要するに・・・

ホットエンド図1

Ender-3のホットエンドはこのようになっています。
問題は1本のPTFEチューブが、ノズルの先端まで達していて、カップリング(継手)だけで押さえられているので、これがなんらかの原因で抜けた時にその隙間に樹脂が入ってしまいます。
(しかし、今回の私の不具合のケースとはちょっと違うようでした。後述)

そして、この問題を解決するパーツがThingiverseにアップされています。

Original Creality hot end ptfe fix
Original Creality hot end ptfe fix – Thingiverse

これで、どのように解決しているのかと言うと・・・

ホットエンド図2

PTFEチューブを切って2本に分割し、ノズルに当たる方のチューブをワッシャー状のパーツを挟んでカップリングで押さえます。これでノズルと当たるPTFEチューブは簡単には抜けなくなります。
そして、カップリングから先(エクストルーダー側)は今まで通り。

先のThingiverseのページには、ワッシャー状のパーツとPTFEチューブの切断の為の治具がアップされていると言う訳です。

ワッシャーと治具

早速、出力しました。
治具の方は、別の方のバージョンアップ品。

 

チューブを治具にセット

チューブを治具にセットし、カッターでカットしました。
チューブは新しく購入したホットエンドに付属の物をカット。

 

Ender-3 ホットエンド

今回は、今付いているホットエンドに対策することにしました。
ホットエンドまるごと交換するのは面倒なので・・・

まずは、ノズルを加熱して中に詰まっているフィラメントを溶かしてから、Ender-3付属の工具で取り外します。

Ender-3 ノズル

ノズルが取り外せましたが、中には樹脂が詰まったままです。
これを除去するのは難しそう・・・コンロで火炙りにして焼き切ってしまう方法なんかを聞いたことがありますが、果たしてどうなのでしょうか。

あとノズルを外した後のヒートブロックの中は綿棒を使って掃除をしました。
ネジ穴に樹脂が付着していると次にノズルが取り付けられないので、しっかりと掃除します。

Ender-3 カップリング取り外し

次にカップリングを取り外しました。
これも、Ender-3に付属していた工具を使って回します。

 

Ender-3 カップリング

カップリングは取り外すことができたのですが、なぜかPTFEチューブが抜けません。
ペンチ等を使って無理矢理引っこ抜くと・・・

 

抜けたチューブ

なんと言うことでしょう!チューブの先端がこんなことになっていました。
樹脂がチューブの外側にまで回り込んでいました。これでは簡単に抜けないはずです。

そして、チューブを良く見てみると、先端の内側が広がってしまっているのに気づきました。

PTFEチューブ先端

こんな感じに、穴が広がっていました。
どうやらフィラメントが抜けにくくなっていたのはこれが原因のようです。
しかし、なぜチューブの先端がこんなになってしまったのか・・・謎です。
もしかすると、ノズルとチューブの隙間に樹脂が入りこんで、その状態のフィラメントを引き抜く時に少しずつ広がって行ったのかも?
良く分かりません・・・

 

新品のノズルを取り付け

穴の中を綿棒を使って掃除してから、新品のノズルを取り付けました。
このノズルはEnder-3に付属していたスペアのノズルです。
新品なのでとてもきれいですね。

 

カットしたチューブを挿入

次に、カットしたPTFEチューブを挿入しました。

ワッシャーを挿入

次にプリントしたワッシャーを入れました。

カップリング取り付け

次にカップリングを取り付けて、PTFEチューブを差し込みました。

この段階で、試しにフィラメントを差し込んでみたところ・・・

ワッシャーの部分で引っかかって、そこから先に入って行きません。
ワッシャーの中心と、チューブの中心がズレているようです。

何度となく、カップリングを外したり付けたりしましたが、なかなか上手くいきません。

カップリングにフィラメントを通す カップリング取り付け

最終的に、カップリングにフィラメントを通した状態で、取り付けました。
この方法なら、ワッシャーが中心に取り付けられました。
フィラメントもノズルに届くまで差し込めるようになりました。

 

ホットエンド不具合の対策完了

この後、Z軸のオフセットを調整して、試しプリントを行いましたが問題無くプリントできました。
これでなんとかホットエンドの不具合の対策ができたと思います。
今回は付いているホットエンドをそのまま使ったので、結局購入したホットエンド一式はPTFEチューブを少し使っただけで、無駄な買い物になりました。
でも、今回調べるまでホットエンドの中がどうなってるか分からなかったし、色々勉強になって良かったです。

しかし、PTFEチューブの先端が広がってしまった原因がまだ分からないので、フィラメントが抜けにくくなる対策になったのかどうか分からず、ちょっと不安の残るところです。

と言う訳で
今回は以上です。

 

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