今回はBFPTouchセンサーをEnder3に取り付けて、調整作業をしました。
マウント
BFPTouchをEnder-3に取り付けるマウントですが、今回はこのような物を作りました。
これは、以前作ったケーブルピラーに他の方が作られた高さ調節が可能なセンサーマウントをくっつけた物です。
ネジ1本でタッチセンサーの高さを調節しながら取り付けることができるので便利です。
このマウントのデータはThingiverseにアップしています。
https://www.thingiverse.com/thing:3808691
サーボホーン
前回にも触れましたが、BFPTouchをEnder-3に取り付ける前に、サーボのホーン(サーボに取り付けるセンサーを上げ下げする角?爪?)の取り付け角の調整が必要です。
角度を間違えて取り付けると、変な力がサーボにかかって最悪サーボが破損します。
ホーンの取り付け手順は、Ender-3とBFPTouchの配線が済んでいるとして、ファームウェアの書き換え前にホーンを取り外しておき、ファームウェアの書き換え後にプローブが収納された状態になるようにホーンを取り付けます。
書き換えたファームウェアでは、電源投入後に、プローブが収納された状態にサーボが自動で回転します。
通常は収納された状態で、必要な時(ホーミングやABLの動作時)にだけサーボが回ってプローブが降りる感じです。
プローブの上げ下げ確認
プローブの上げ下げはGCODEのM280コマンドを入力することで手動で上げ下げできます。
BFPTouchセンサーの取り付け時に調整するのに利用します。
プローブを上げるコマンド
M280 P0 S0
プローブを下げるコマンド
M280 P0 S70
M280コマンドのPはサーボのインデックス番号、Sはサーボの角度を表します。
サーボのインデックス番号は0で、
サーボの角度は、ファームウェアで設定したデューティ比で角度を指定します。
ファームウェアでデューティ比の設定を変更している方は、各自の入力した数値を指定して下さい。
コマンドはPCとEnder-3とUSBで繋いでシリアルモニター等で入力・実行します。
取り付け
BFPTouchセンサーのサーボホーンを取り付け終わればEnder-3に取り付けします。
この際、取り付ける高さが重要です。
とは言え、電磁誘導式のセンサーを取り付ける時よりは簡単です。
ブローブ収納時
プローブが収納状態の時には、ノズルより上にプローブの先端が来るようにセットします。
プローブ展開時
プローブを下げている時はノズルよりも下に来るようにセットするのですが、プローブの先端がビルドシートに当たってセンサーが反応する位置もノズルより下である必要があります。
※センサーの反応は、LEDが消えるかどうかで判断できます。
ホーミングチェック
ArduinoIDEのシリアルモニタ等で、コマンドを入力して実行します。
シリアルポートの番号を確認の上、右上のボタンをクリックします。
シリアルモニタが開いたら、通信速度が115200bpsになっているか確認します。
まず始めに、ホーミングを行う為に、G28を入力して送信ボタンをクリックします。
XY軸がリミットスイッチまで移動した後、ベッドの中心で高さのチェックが行われます。
センサーのプローブがベッドにヒットして止まれば正常です。
ベッドの平行調整
ホーミング後、オートベッドレベリングを実行する為にG29を入力して送信ボタンをクリックします。
すると、オートベッドレベリングの為の高さチェックが始まります。
G29を実行すると、その結果表示されます。
これは、ホーミング(G28)したZ軸の高さを基準としたテーブルの傾き(歪み)が表示されています。
この結果をもとにテーブルの平行を調整します。
G29実行結果
Bilinear Leveling Grid: 0 1 2 0 +0.285 +0.175 +0.028 1 +0.105 +0.020 -0.160 2 -0.080 -0.135 -0.222
結果の(0,0)が向かって左手前、(2,2)が右奥の結果です。
つまり、左手前が0.285mm高く、右奥が0.222mm低い状態です。
ベッド下の高さ調整のハンドルを回して、左手前を少し下げて、右奥を少し上げます。
Ender-3のベッドの高さ調整のネジはM4なので、ピッチは0.7mmです。
ハンドルを1周回すと、0.7mm上がったり下がったりします。
ただ、プロービングの位置とネジの位置は違っているので、あくまで目安で調節します。
ハンドルを回してはG29を実行して・・・
ハンドルを回してはG29を実行して・・・
と何度も繰り返した結果・・・
こんな感じまで調整できました。
ベッドの歪み等もあるし、プローブの精度もあるので、個人的に ±0.05mm以下位に収まるのを目安にしています。
オフセット調整
まず、G28を実行してホーミングします。
今回の設定では、G28でホーミングした後は、Zの高さが10mm程で終了します。
なので、Z軸を0mmの位置に移動させます。
そのコマンドがG1 Z0です。
Z軸の見かけ上の数値が0になりましたが、それでも実際はノズルが少し浮いた状態だと思います。
これはプローブ(BFPTouchセンサー)を基準とした高さなので、ここからオフセットと言う形でZ軸を補正します。
LCDのメニューで、
Control > Motion > Probe Z offset
と進んで、Z軸のオフセットを調整します。
シックネスゲージ等を使ってノズルとベッドの隙間を0.1~0.2mm程度になるまでオフセットを調整します。
※ここで時間をかけすぎると、ダイアルを回しても高さが変わらなくなってしまいます。そうなってしまったらもう一度G28の実行からやりなおします。
調整が終わったら
Control > Store setting
で、設定を保存して、Z軸のオフセット調整は終わりです。
これでEnder-3本体の調整は終わりでABL使用の準備が整いました。
あとはスライサーの設定でプリントを始める前にABLが実行されるようにしなければいけません。
が、その辺りは以前書いた通りなので、今回は省略。そちらを参照して下さい。
あと、プリント中にZ軸の微調整を行うことも出来ます。
1層目の定着が悪い時は、この機能を使って調整すると定着が良くなる場合があります。
と言う訳で、BFPTouchの取り付けと調整の方法は以上です。
時間がかかりましたが、やっとこれで2台目のEnder-3にもABLを実装することができました。