CNC制作

FABOOL Laser Miniをカッティングプロッター化

投稿日:2022年2月10日 更新日:

タイトルの通り、FABOOL Laser Miniをカッティングプロッター化しました。

FLMのコントロール基板をGRBLにした理由の一つはこれで
「カッティングプロッターが欲しい」と言うことでしで、ひとまずそれなりの物が出来たので、ここまでをまとめておきます。

カッター

ビニールカッター

Aliexpressでカッティングプロッター用のカッター刃とホルダーが売られていたので、それを買いました。
ローランドのプロッター用のカッターだそうです。
ちなみに同じ物(だと思う)が日本のAmazonでも売られていました。

構造

ホルダー

材質はアルミ製(たぶん)です。
刃をセットする部分と、そのカバーの部分に分かれます。

ビニールカッター

刃は磁石で固定されます。
ホルダーの穴に刃を差し込めばスポッと入り、中の磁石にひっつきます。

ビニールカッター ビニールカッター

後ろのピンを押すと、刃が飛び出るので、交換するときはピンを押して刃を抜きます。

ビニールカッター

 

私が買ったセットには、刃の角度の違う物が3種類、各5本付属していました。

ビニールカッター

青いキャップが60度、赤いキャップ45度、黄色いキャップが30度の角度が付けられています。
切る物の素材の厚さで刃を替えると良いようですが、良く分かりません。
色々試すしか無さそうです。

 

切れる原理

ビニールカッター

カッターの軸は丸くて、ホルダーの中で回転します。
カッターの刃先は、軸の先端にあります。

刃先のオフセット

刃先は、軸の中心から少しずれていて、ホルダーの動きに合わせてカッターが回転し、ホルダーが動いた所をカットできると言うことです。

 

刃先の出代調整

カッターの刃の突き出す量はとても重要です。
多く突き出すと、材料に深く突き刺さり、そして移動する時の負荷が増えます。
なので、非力で剛性の弱いFLMのフレームでは、あまり厚い素材は切れません。

また、カッティングシートを切る場合、下の台紙まで切断してしまうと、ステッカーがばらばらになってしまいます。

出代調整

出代の調整は、カッターのホルダー部分とカバー部分がネジ状になっているので、締めたり緩めたりして調整します。
調整が済むと、真鍮のロックを締めて固定します。

刃の出代

上の写真は、カッティングシートのシール部分だけが切れて台紙が残るようにセットした刃の出代です。
写真で見ると僅かに出ているのが分かりますが、目で見ても分かりません。
目で見ても分からないので、要らないカッティングシートの切れ端で試し切りしながら、刃の出代を調節しました。

 

カッティング・プロッター・ヘッド

カッターヘッド

FABOOL Laser Miniは、2軸のCNCなのでカッターを上下させることができません。
なので、カッターを上下させるヘッド部分を作りました。

構造

仕組み

分解したカッターヘッド

アルミの幅20mm*厚み3mmの板を買って来て適当に切断して、それに3Dプリンタで部品を作って、ネジで固定、と言った感じです。
(写真のは何度か試作で使い回していたので、色々無駄な加工が残ってますが・・・)

カッターヘッド

上下の動力には、サーボモーター(SG90)を使い、サーボをコントロールする為にArduino Nanoを使っています。

サーボのアームは、スプリングを介してカッターと繋がっています。
アームが下へ回転した時、カッターを押さえ、
アームが上へ回転した時、カッターを持ち上げます。
カッターのストロークは約5mm程

SG90のトルクは、1.8kgf・cmと言うことらしい。
正直数字を見ても、いまいち強さが分からないのですが、実際に取り付けて使ってみると十分な力がありました。
SG90だと弱いかもしれないから、もう少し強いSG92を使おうかなんて考えていましたが、杞憂でした。

 

FLMへ取り付け

FABOOL Laser Miniのヘッドのレール レーザーモジュールのレールクランプ

FLMのヘッドは特殊なレール(アリ溝と言うのかな?)が取り付けてあり、レーザーのヘッドを上下に移動させて調節し、ネジを締めて固定すると言う感じです。

なので、その機構と同じような物を3Dプリンターで作り、プロッターヘッドに取り付けています。

プロッターヘッドのクランプ部分

1カ所だと弱いかもと2カ所にしましたが、これが良かったのか悪かったのかは分かりません。

FABOOL Laser Miniに取り付けたプロッターヘッド

ネジ先が、土台のレールを傷付けそうなので、間にプラ板(PP)を挟んで固定しています。

FABOOL Laser Miniに取り付けたプロッターヘッド

高さの調整は、プロッターヘッドに電源を繋いで行います。

Arduinoが起動すると、サーボは上がってカッターのホルダーが持ち上がった状態になります。
そして、基板のテストボタンを押すと、サーボが下がってホルダーが降りた状態になります。

FABOOL Laser Miniに取り付けたプロッターヘッド

上がった状態の時に、カッターの先が素材に当たらないようにし、
下がった状態の時に、カッターの先が素材に押しつけられるように高さを調整します。

 

回路

プロッターヘッドの基板

回路は秋月電子で買った45×45のユニバーサル基板で作っています。
材料は秋月電子で全て揃います。(たぶん)
でも、Arduinoは別で買ったほうが良いかな。非正規品ですが。
(最近、半導体不足の影響か、非正規品でも値段が上がって来てますね・・・)

 

回路図

カッティングプロッター回路図

スイッチとかLEDとかは、色々試す為に取り付けています。
現時点では、SW2とLED2は使って無くて不要。
書き直すの面倒なのでそのまま掲載。

 

サーボ電源

サーボ用に3端子レギュレーターを取り付けて、サーボ用の電源を別に分けています。

最初、電源は12Vで供給し、ArduinoNanoに搭載されている5Vレギュレーターでサーボを動かしていました。
これでも動いたのですが、時々何かの拍子で動かなくなったり不安定な動きをしました。
原因はどうやらサーボのモーターに電力が取られてArduinoが誤動作していたようで、レギュレーターを別で取り付けてからは誤動作がなくなりました。

ちなみに、使ったレギュレーターはこれ
三端子レギュレーター 5V1.5A NJM7805FA – 秋月電子

 

 

GRBLと接続

プロッターヘッドとGRBL接続

接続は、GRBLのSpnEn端子とGND、そして電源の12V。
GNDは、GRBLと電源を共通にしています。

CNC(GRBL)シールドのSpnピンとZ-ENDSTOPピン

私の使っているCNCシールドは古い物で、SpnEn端子とZ軸のEndStop端子が入れ替わっています。(何度も書いていますが、間違えるとあれなので・・・)

 

FABOOL Laser Miniに取り付けたプロッターヘッド

 

今回はここまでで、続きはこちら

FABOOL Laser Miniをカッティングプロッター化 その2

 

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