前回は、FABOOL Laser Miniのヘッドの改造を書きました。
FABOOL Laser Miniをカッティングプロッター化
今回は、その続きで、カッティングシートをカットする手順を書きたいと思います。
GCODEの準備
デザイン
いつもレーザー加工時の作図は、Inkscapeを使っていたので、今回もInkscapeを使いました。
ちなみに、バージョンはちょっと古い0.91を使っています。
取り敢えず、文字ツールで文字を書いて、それをを切り抜いてステッカーを作ろうと思います。
切り抜く文字は、OC CRAFTとしました。
GCODEを作成
作ったデザインをGCodeにするのですが、GCode化にもInkscapeを使います。
Inkscapeには、パスをGCodeに変換してくれるGcodetoolsと言うエクステンションがあり、それを使います。
たぶん、Inkscapeのデフォルトで入っているエクステンションだったと思います。
1.保存
作成したデザインを保存しておきます。
Gcodetoolsを使い始めると、デザインのパスが変更されたり、色々追加されたりするので、先ず保存しておきます。
2.オブジェクトをパスに変換
先ほど作った文字はオブジェクトなので、パスに変換しておきます。
文字を選択してから、メニューから[パス]→[オブジェクトをパスへ]を選んで実行します。
3.Orientation Points
メニューから[エクステンション]→[Gcodetools]→[Orientation Points…]を実行します。
Orientation typeの2-points modeが選択されているのを確認して、[適用]ボタンをクリック。
分かりにくいですが、ドキュメントの原点と右に100mmの地点に矢印が追加されてばokです。
4.Tools library
メニューから[エクステンション]→[Gcodetools]→[Tools library…]を実行します。
Tools typeの中からgraffitiを選んで[適用]をクリックします。
penetration feedを100から200へ変更
gcode before pathをM03 S1からM03 S1000へ変更
この2つの文字を変更します。
※feedがカット時のスピードですが、400だとだいぶと遅いです。
ただ、まだどれくらい早くできるか分からないので、今回はデフォルト値そのまま。
スピードの設定は今後の課題とします。
※penetration feedは本来はZ軸の上下のスピードなのですが、Z軸の無いFLMでは上げ下げしている間分の時間はその場で待機しています。
それを、カッター上下後のウェイト時間として利用しています。
5.Path to gcode
メニューから[エクステンション]→[Gcodetools]→[Path to Gcode…]を実行します。
現れたウィンドウの、[Preferences]タブに切り替えて、ファイル名と保存するディレクトリを選びます。
[Path to Gcode]のタブに戻って、[適用]ボタンをクリック。
暫くすると、上のようなメッセージボックスが現れ、Gcodeのファイルが指定の場所に出来上がっています。
Gcodeのファイルは出来上がったのですが、ここで元となるデータをファイルに保存してしまうと、元に戻す方法が分かりませんので、Inkscapeは保存せずに閉じます。
ややこしそうな手順ですが、慣れると割と簡単です。
加工
カッティングシートをセット
今回は、練習用と言うことでダイソーのリメイクシートを使いました。
単色の物を探したのですが、全て何かの柄が入っていました。
その中で、まだましなカーボン調の物を選びました。
100円で安くて良いのですが、折りたたまれてパッケージされているので、折り癖が付いています。
FLMカッティングプロッターでシートを切るには、ベッドに真っ平らに貼り付ける必要がある。
なので、折り癖の所を避けて、平らな部分を切って使いました。
(簡単に伸ばす方法とかありますか?)
そして、マスキングテープで四方を貼り付けて、FLMカッティングプロッターにセットしました。
CNCjsで操作
FLMカッティングプロッターを操作するのに、CNCjsと言うソフトを使いました。
接続からのホーミング
接続したら取り敢えずホーミング実行しておきます。
(しなくてもいいけど)
GCODEファイルを読み込み
作成したGcodeファイルを、G-codeのアップロードから読み込ませます。
または、CNCjsへファイルをドラッグドロップしても読み込ませることができます。
ヘッドを原点へ移動
[軸制御]ウィジェットを使って、ヘッドをカッティングシートの左下になるように移動させます。
移動が済めば、ワーク位置のX軸とY軸の[オフセット0ボタン]をクリックして、座標を0にします。
加工範囲をチェック
これは必須ではありませんが、マクロを使って加工範囲をチェックします。
マクロの内容は以下の通り
G90
G0 X[xmin] Y[ymin]
X[xmax]
Y[ymax]
X[xmin]
Y[ymin]
このマクロを使うと、加工範囲の四隅をヘッドがなぞってくれますので、デザインがカッティングシート内に収まっているかチェックします。
収まっていなければ、原点位置を調整したり、デザインを修正したりします。
実行
これで準備ができました。
あとは実行するだけです。
加工中・・・
加工後の確認
はい、そしてこれは加工後のカッティングシート。
よーく見ると切れてる線が見えます。
カス取り
それでは、余分な余白を取り除いて行きます。
切り始めと切り終わりが重なる部分で、若干切り切れていない所がありました。
そして出来上がったのがこちら。
なかなか上手く切れてる・・・ように見えますが、
実際の物を比べてみると、線が丸くなっている所があります。
このサイズの物であれば、遠目で見れば問題ないですが、小さい文字を切ろうとすると厳しいかも。
と言う訳で、FLMのカッティングプロッター化はひとまず以上です。