レーザー加工機

レーザー加工機用の火災報知器を作った

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レーザー加工機を使用している上で一番怖いのは火災。
幸い、レーザー加工機を使い始めて約6年程経ちますが、今まで火が出るようなことは無かったのですが、念のためにと思い
今回は、万が一の出火を検知する為の火災報知器(火災警報器)を、Arduinoを使って作ってみました。

センサー

赤外線センサー

火を感知する為のセンサーには、砲弾型赤外線フォトトランジスター L-51ROPT1D1 を使っています。

L-51ROPT1D1 – 秋月電子

これは、赤外線のセンサーで、蛍光灯や太陽光に含まれる赤外線にも反応してしまう為、一般的な火災報知器として使うのは難しいです。
また、CO2レーザーやファイバーレーザーは、赤外線レーザーだと聞きますので、これらのレーザー加工機に流用するのも難しいでしょう。

つまり、使えるのはダイオードレーザーを使ったレーザー加工機で、ケース等で覆われていて蛍光灯や太陽の光が当たらない環境である必要があります。

とまあ、結構用途が限られます・・・

赤外線センサー

形はLEDのような砲弾型で、足が長い方がエミッタ、短い方がコレクタ。
赤外線が当たると、コレクタからエミッタへ電流が流れます。

 

回路

火災報知器の回路図

赤外線センサーは、Arduinoのアナログ入力A0端子に、3つ並列に繋いで接続しています。
並列に接続する数を増減させて、センサーを増やしたり減らしたりできます。
ただ、実際に使ってみた感じでは、私のレーザー加工機のケース内であれば、センサー3つでも多い感じで、なんなら1つでも十分じゃないかと思われます。
作った後に分かったことなので、今更減らすのもどうかな・・・と言う訳で、現状センサーは3つ繋いでいます。

火を感知した時に光ってしらせるインジケーターは、D5端子のHigh/Lowでコントロールしています。
D5端子のHigh/LowでMOSFET(2SK2232)を駆動させて12VをON/OFFする感じです。
動画内では、12Vで動く赤い回転灯を使っていますが、実際の運用時はLEDを繋いで光らせています。

火を感知した時に音を鳴らす為に、D4端子に圧電スピーカーを取り付けています。
圧電スピーカーの音量を上げたくて12Vで駆動させたりしたことがあるのですが、5Vと12Vではあまり音量の差を感じません。なのでD4端子に直結しています。
ま、同じ部屋内で聞く分には十分な音量ではあります。

D2端子には、火を感知して鳴り始めた警報を止める為のスイッチを接続しています。

D3端子には、ケースの蓋の開閉を検知する為のマイクロスイッチを取り付けています。
蓋が閉じている間だけ炎の監視を行って、蓋が開いている時は停止しておくようにしています。

 

火災報知器の回路

以上の回路を、Arduinoのシールドとして作りました。
ちょっと配線ごちゃごちゃで分かりにくいですが・・・

回路の説明は以上です。

 

プログラム

ArduinoのプログラムはGitHubで公開しています。

https://github.com/botango/Arduino-Fire-Detector

 

取り付け

完成した回路は、レーザー加工機の防煙用のケースに取り付けます。
ちなみに、ケースの詳細はこちら。古い記事なので左右が違うし、他にも若干変わっていますが・・・

 

赤外線センサーの取り付け

赤外線センサーの取り付けは、上の写真のように取り付けました。
小さく切った基板に3mmの穴を開けて、ケースのM3のネジに共締めしています。
それが3カ所。

 

蓋開閉センサー

そして、蓋の開閉を検知するマイクロスイッチは、ケースの端から頭の部分だけ飛び出させるような形で取り付けました。
蓋を閉めると、これが押されてスイッチが通電が遮断されます。(ノーマリークローズに接続しているので)

 

動画

説明動画も作っています。
その他の説明や、実際の動作の様子等、興味の有る方は見て頂けると嬉しいです。

 

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